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【外国人宿泊者数】2020年7月インバウンド宿泊者数前年同月比97.9%減の23万人泊もわずかに増加傾向

2020.10.01

刈部 けい子

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観光庁が9月30日に発表した2020年7月の宿泊旅行統計調査結果(第2次速報値)によると、全体の延べ宿泊者数は2158万人泊で、前年同月比58.3%減だった。6月に続き、前月よりは減少幅が縮まっている。

日本人延べ宿泊者数は前年同月比47.9%減の2135万人泊。外国人延べ宿泊者数は前年同月比97.9%減の23万人泊で、同月では過去最低となった。延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は1.0%だった。


5月末に緊急事態宣言が全面解除されてから、国内の移動も徐々に増え、7月下旬にはGo To トラベルキャンペーンも始まったこともあってか、宿泊数は増加傾向にある。延べ宿泊者数全体ではまだ前年同月の4割にすぎないものの、日本人延べ宿泊者数は前月と比べても700万人泊ほど増えた。

なお、8月(第1次速報値)の日本人延べ宿泊者数は前年同月比51.5%減の2605万人泊、外国人延べ宿泊者数は前年同月比97.6%減の23万人泊となっている。

東京除外の影響か? 外国人延べ宿泊者数は大阪が僅差でトップ

都道府県別の外国人延べ宿泊者数は、通常東京都が最も多いが、7月は大阪府が僅差でトップの3万9910人泊(前年同月比97.7%減)、ついで千葉県(3万4720人泊、同93.5%減)、東京都は(3万2840人泊、同98.8%減)で3位に後退、沖縄県(1万4920人泊、同98.3%減)、神奈川県(1万7730人泊、同94.1%減)だった。Go To トラベルは日本在住の外国人も使えるため、東京除外の影響が出たのかもしれない。なお、日本人と外国人を合計した全体の延べ宿泊数では東京都のトップは変わらないものの、北海道との差はわずか8万6000人に過ぎなかった。

外国人延べ宿泊者数はほぼすべての都道府県で前年同月比90%台後半のマイナスとなり、1000人泊数に満たない県も多かった。

7月の宿泊者数を国籍(出身地)別で見ると、1位がアメリカ、以下フィリピン、中国、ベトナム、インドで、この上位5カ国・地域で全体の51.9%を占めた。また、前年同月比で約7割減少したフィリピン以外は、すべての国籍(出身地)で9割以上の減少だった。


なお、観光庁が9月11日に発表した国内の主要旅行業者48社の7月の旅行取扱額は、前年同月比87.4%減の522億4162万円で、6月よりさらに一定程度の回復傾向が見られた。国内旅行は78.4%減の492億3898万円で、海外旅行は98.8%減の20億4674万円、外国人旅行(日本の旅行会社によるインバウンド向け旅行取扱分)は94.6%減の9億5590万円だった。

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