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美食の街・東京はミシュラン星付き店が世界最多、サステナブル評価のグリーンスターも初導入

2021.01.18

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2020年12月に『ミシュランガイド東京2021』が発売された。掲載されたのは星付き店212軒にビブグルマンが234軒の合計446軒で、新規掲載されたのは両者合わせて53軒だった。星付き店の内訳は三つ星が12、二つ星が42、一つ星が158で、合計数はもちろん三つ星レストランの数でもパリを上回っている。

ラーメン店が世界で初めて星を獲得した2016年版、ビブグルマンにおにぎりのカテゴリーが登場したのが2019年版、2020年版では長年三つ星を獲得していた「すきやばし次郎 本店」がガイド掲載外になったことも話題になった。そして2021年版では、サステナブルな取り組みを評価するグリーンスターの導入に注目が集まっている。こちらは後述するとして、まずは前年からの変化を見ていこう。

中国料理のレストランが初の三つ星獲得

星付き店の合計数は前年の226軒より14軒減少。三つ星の数は1軒増え、二つ星が6軒減り、一つ星が9軒減っている。新たに三つ星となったのは、西麻布のフランス料理「レフェルヴェソンス」と広尾の中華料理「茶禅華」が共に二つ星から昇格。一方、日本料理の「麻布 幸村」が二つ星に降格となった。

カテゴリーでは、日本料理が6軒、フランス料理が4軒、寿司が1軒、中国料理が1軒で、「茶禅華」は東京で初めて三つ星のついた中国料理のレストランとなった。

また、二つ星は2軒が一つ星から昇格、18軒が新たに一つ星を獲得しているなど、入れ替わりもけっこうあることがわかる。

サステナブルな取り組みを評価、グリーンスター開始

また、今回からはサステナブルな取り組みを評価するためにミシュラン・グリーンスターというマークが導入された。フードロスの削減や環境に配慮した生産者への支援、絶滅危惧種の保護などを積極的に行っているレストランに与えられるもので、今回東京版では6軒が選ばれた。ウィズコロナ、アフターコロナではサステナブルがキーワードの一つといわれるだけに、インバウンド客にもアピールするポイントとなりそうだ。グリーンスターと呼ばれているが、星マークではなく5つ葉のクローバーがついている。

ちなみに、グリーンスター店の内訳は、三つ星から一つ星までそれぞれ2軒ずつの6軒で、そのうち今回初の三つ星とのダブル受賞となった「レフェルヴェソンス」では、「厨房にレンガの薪窯を作ることでガス利用を削減、また絶滅が危惧される魚を使わないなど、サステナブルな取り組みに積極的」な点が評価されたという。

富裕層にアピールする美食の街

2007年にアジアの都市として初めて『ミシュランガイド東京2008』が発売されたときも、星付きレストランの数が本場パリを上回ったとして話題になったが、以来東京は常に他を一歩リードする形でミシュラン星付き店最多都市の名を欲しいままにしている。インバウンド客にも「世界で最もミシュラン星付きレストランが多い街」というフレーズはアピールになるようで、特に富裕層向けの旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」誌などでは、それ故美食を求めるのにふさわしいと紹介されることも多々ある。

JNTOの最近の調査では、ウィズコロナの訪日旅行には自然体験に加え、食文化やガストロノミー体験を上げる人も多かった。

コロナ禍で星付き店の70%が休業、特に欧州で顕著

なお、世界に蔓延する新型コロナウイルス感染症に関わる緊急措置により、臨時休業を余儀なくされる飲食店も多い。ミシュランの星付きレストランも例外ではなく、ミシュランの調べでは2021年1月第一週(1/4-1/10)にオープンしているレストランは39都市の星付き店全体のわずか30%に過ぎなかった。7月~10月は80%以上が営業していたので、比較すると顕著に減っていることがわかる。

特に欧州では英国とイタリアのロックダウン措置で、営業しているミシュラン星付きレストランの数は減少傾向にあり、南欧州で51%、北欧州では5%、また、北中南米では6%となっている。一方、アジアでは感染状況が落ち着いていることもあり、調査時点では98%が営業している。国や都市別だとマカオで82%、シンガポールで95%、日本で98%、韓国、香港、台北、北京、上海、タイは100%営業しているという。

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