データインバウンド
世界で最も安全な航空会社2021、1位はオーストラリアのカンタス航空。エミレーツはトラベルパス初導入へ
2021.01.29
刈部 けい子2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大で誰もが海外旅行を辛抱しなければならない1年だった。2021年になってもまだまだ先はよく見えない状態だが、AirlineRatings.comが発表した世界で最も安全な航空会社のリストを眺めながら、将来の旅行に備えるのはいかがだろうか。
385のエアラインのうち、世界で最も安全な航空会社は
AirlineRatings.comは世界唯一の航空機の安全・製品格付けウェブサイトであり、世界の385の航空会社を、ICAO(国際民間航空機関)やIATA(国際航空運送協会)の認定監査や過去10年間の重大事故の記録や機体年数などさまざまなデータを組み合わせて評価している。そこで2021年に最も安全と評価されたのは、2020年に創立100周年を祝ったオーストラリアのカンタス航空だった。
AirlineRatingsのジェフリー・トーマス編集長によると、「トップ20の航空会社は僅差だったが、カンタス航空は多くの路線の運航停止で休みを余儀なくされたパイロットが業務に復帰する際に、再訓練させるという取り組みが高く評価された」という。訓練は6日間にわたり、そのうち1日は心身の健康状態のチェックに費やされるとのこと。なお、カンタス航空のウェブサイトによると少なくとも3月27日までは国際線定期便の運航を停止している。
ところで、カンタスが高評価を得たのはこれが初めてではない。2014年から3年連続でカンタスがトップになり、2018年には順位をつけられないとして20社を選出、しかし、2019年と2020年は再びカンタスが1位に輝いたので、またもや3年連続となる。2021年も含めてこの間常に2位だったのはカタール航空で、2021年のトップ5はほかにニュージーランド航空、シンガポール航空、エミレーツ航空となっている。
オーストラリア、年内の国境完全開放の可能性低く
こうして世界一安全な航空会社を擁するオーストラリアだが、1月18日には、国民の大多数がワクチン接種を受けたとしても、2021年末までに国境を完全に開放する可能性は非常に低いとブレンダン・マーフィ保健相付政務官が語ったと報じられた。
オーストラリアは2020年3月以降、出入国を厳しく規制しており、自国民と家族の帰国についても数を限定して徐々に入国を許可。いまだ帰国を望むオーストラリア人数万人が海外に足止めされている状態だ。
カンタス航空は1月5日に、今年7月1日以降に運航する日本便を含めた国際線の航空券の予約受け付けを開始したものの、政府はそれまでに国境が開放される保証はないと警告している。
日本航空と全日空はコロナ対策で高評価
AirlineRatings.comではまた、新型コロナウイルス感染症に対して優れた対応策をとっている20の航空会社の名前も発表しており、そこには日本航空と全日空の日系2社も含まれている。
カタール航空ではフェイスシールドやマスクを提供したり、エミレーツ航空ではコロナ保険や個人のヘルスキットを導入するなど、多くの航空会社が積極的に対応策を取り入れているが、定期的に各航空会社の評価は更新されているので参考にされたい。
なお、IATAが開発中のトラベルパスについては、エミレーツ航空が先陣を切って試験的に導入することになった。
これは旅行者がスマホにアプリをダウンロードすることで、旅行先の要求するワクチン接種や、PCR検査機関の詳細、それらの証明や結果などを確認できるもの。また、旅行中に必要なドキュメントをデジタルでシームレスに管理できる。エミレーツが4月に開始する第一段階では、搭乗者はアプリを介して空港到着前に新型コロナウイルスの検査結果を航空会社と共有、それがチェックインシステムに自動入力されるようになるという。
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