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サステナブル・トラベルへの意識を世界の旅行者へ調査、実現に向けて宿泊施設が今取り組むべきこととは? —ブッキング・ドットコム

2021.06.22

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日常の暮らしの中で「サステイナビリティ」への意識が高まる中、旅行者は今後の旅行に対し、どのくらい「サステナブル」な旅行へのニーズをもっているのか。また、「サステナブル・トラベル」の実現に向けて、旅行者を受け入れる宿泊施設が取り組むべき課題は何か。世界最大級の宿泊予約サイトを運営するブッキング・ドットコム(Booking.com)は、2021年3月に、日本人の旅行者1,000名を含む世界30カ国の29,349名に対してオンラインでアンケートを実施した。

 

8割がサステナブルな「旅行」の重要性を認識

新型コロナウイルス感染症をきっかけに、サステイナビリティに対する人々の意識は高まっている。その変化は日々の暮らしだけでなく、旅行に対しても同様だ。日本の旅行者の82%は「旅行において、サステイナビリティが非常に重要だ」と考えている。さらに、42%は「新型コロナウイルス感染症の影響で、よりサステナブルな旅行を望むようになった」と回答。サステナブル・トラベルに対する需要は高まっていくと予想される。

 

環境、文化、経済発展を意識した旅をしたい

旅行先で、具体的にどのようなサステナブルな取り組みを行いたいかという質問に対しては、「(タクシーやレンタカーの代わりに徒歩や自転車、公共交通機関など)より環境に優しい交通手段を利用したい」、「ゴミの量を減らしたい」、「(部屋を出る際にエアコンや電気を消すなど)エネルギー消費量を減らしたい」という回答が、いずれも7割前後にのぼった。環境に対するサステナブルな取り組みは、日常の延長線上として、旅行先でも行いたいと希望する者が多数派だ。

環境だけでなく、現地コミュニティに配慮した旅行を意識した旅行者も多い。「旅行先でその土地の文化を代表するような本物の体験をしたい」と考える日本の旅行者は約半数の47%。「比較的旅行客が少ない旅先を選ぶことで、旅行客の集中を防ぎ、また旅行によって生まれる利益を広く分散させて還元できるようにしたい(66%)」、「旅行業界による経済効果が社会のあらゆるレベルで平等に分配されることを望む(72%)」、「異文化理解を深めることや文化遺産の保護が不可欠だ(83%)」と、地域資源である「文化」への関心や保護、地域「経済」の発展に寄与したいと望む声も大きい。
 

 

サステナブルな旅行への積極的な参加は、まだこれからの日本

これまでの旅行ですでに環境に配慮した行動をしている日本の旅行者もいる。36%は「過去12か月間の旅行で部屋を出るときに意識的にエアコン / ヒーターを消した」、22%は「旅行中にペットボトル容器に入った飲料水を買わずにマイボトルを持参した」と回答した。その一方で、「現地のコミュニティをサポートするためのアクティビティに参加した」という回答は、世界の旅行者が33%であるのに対し、日本の旅行者はわずか14%という結果だった。サステナブルな取り組みへの意識はもっているものの、活動への積極的な参加にはまだ壁がありそうなのが現状だ。

世界と日本の旅行者との差は、サステナブルな取り組みをしていない宿泊施設に対する不満の声にも表れている。「滞在先にゴミをリサイクルする仕組みがないなど、サステナブルな取り組みがないと不満に思う」という回答が、世界の旅行者では53%にのぼったのに対し、日本の旅行者で不満を示したのはその半数以下の22%だった。旅行に対するサステイナビリティの重要性を認めつつも、まだ積極的とは言えない状況が伺える。

さらに世界と日本の旅行者の間で大きな差が見られたのが、「今年はサステナブルな宿泊施設に滞在したい」と回答した数だった。世界の旅行者では81%だったのに対し、日本の旅行者の回答者は36%という結果だ。

 

サステナブルな宿泊施設の存在を知らないのが消極的の一因

サステナブルな宿泊施設に滞在したいという希望が少ない原因のひとつは、サステナブルな宿泊施設の存在を知らないことにありそうだ。日本の旅行者のうち、61%が「過去1年間でサステナブルな宿泊施設に滞在しなかった」と回答しているが、そのうち54%は「そのような宿泊施設の存在を知らなった」、また、22%は「行く予定の旅先にはそのような宿泊施設の選択肢がなかった」、28%は「探し方がわからなかった」と答えている。さらに、「2021年現在ではサステナブルな旅行の選択肢が十分でない」という回答は45%にのぼる。宿泊施設がサステナブルな取り組みを旅行者に対して発信、訴求し、旅行者がサステナブルな滞在先を探しやすい仕組みはまだ不十分と言えそうだ。

 

宿泊施設の課題は、サステナブルな取り組みの情報発信

今回、ブッキング・ドットコムでは、日本を含む20カ国のパートナー宿泊施設3,390軒にもオンライン調査行った(2021年4月実施)。その結果、「ホスピタリティ業界におけるサステイナビリティを重視している」と回答した施設は82%と、重要性の認識は高い。「サステナブルな取り組みを実施している」と答えたパートナー施設も4分の3を占めた。しかし、「取り組みについてユーザーに積極的に伝えている」のはわずか31%。59%は「チェックインの際にのみ取り組みについて伝えている」との回答だった。

ポストコロナに向けてサステナブル・トラブルに対する旅行者の意識は高まっている。並行して、宿泊施設は、サステナブルな滞在先として旅行者から選ばれるように情報発信を行っていく必要性が求められるだろう。

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