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世界一安全な国ランキングでノルウェーが1位、ワクチン接種率や国境開放度で高評価 —2021年7月

2021.08.16

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アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグが発表している世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」。社会や経済への打撃を最小限に抑えながら新型コロナウイルス感染症に効果的に対応できている国と地域が上位を占めるこのランキングで、7月は前月1位に浮上したアメリカが5位に後退、ノルウェーが1位になった。

新型コロナウイルス感染症収束後を見据えて先月からワクチン接種率と国境の開放度を指標に加えたため、6月は接種率の高いアメリカが初めて首位に立ったのだが、そのアメリカはデルタ株による新規感染の拡大とそれに伴う一部地域の行動制限、接種率の伸び悩みが反映されランクダウン。英国も同様で、7月に規制を撤廃したもののデルタ株による感染者激増で16ランク下げて25位となった。

一方、首位のノルウェーは人口のほぼ半分がワクチン接種を受け、新たな死者はほとんどなく、国境の開放度も高い。2位のスイスも死者数が減少し、隔離なしの渡航が可能となっている。3位は厳しいロックダウンなどで感染を抑え込み、常に上位にランクしているニュージーランドだ。

日本は、先月より3ランクダウンの26位で、接種率、フライト能力、ワクチン接種後の移動可能ルートが低評価となっている。

 

出典:Bloomberg「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」

最下位はインドネシア。1日の死者数が7月中盤に1000人を超えるとその後も上昇を続け、8月9日時点では1676人と世界最多だった。ワクチン不足が大きな課題なのだが、マレーシア、フィリピン、バングラデシュなど下位の諸国も同様の苦境にある。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はワクチン分配の「ひどい格差」がパンデミックの長期化の原因だと話していたが、ランキング上でも富裕国とそうではない国・地域の格差拡大が浮き彫りになっている。

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