データインバウンド
【訪日外国人数】東北で訪日客数が5割増、台湾人客がトップ
2017.07.07
刈部 けい子国土交通省東北運輸局が6月に発表した2017年1〜3月の外国人宿泊数を見ると、東北6県は延べ202,780 人泊となり、前年同期と比較して58%の増加となった。全国が3%の増加にとどまったので、東北の伸び率が際立っている。また、東日本大震災前の2010年同期と比べると、東北全体では72%の増加となった。
県別の伸び率では、秋田が119%増で全国最高となり、続いて、福島、岩手、青森、宮城、山形の順。実数では46,340人の宮城が最多だった。北海道新幹線の開業で東北への立ち寄りが増えたことや、各自治体などの広報活動で、東北の知名度が上がったことが大きいと思われる。2016年は東北6県で訪日客の宿泊者数が64万人を超え、過去最高を記録した。今年はこうした序盤の出足の良さから、さらなる伸びが期待される。
2017年1〜3月の訪日客を国別に見ると、台湾が前年同期の125%増の73,080人でトップ、ついで中国(42,770人)、韓国(21,780人)、アメリカ(12,840人)、タイ(10,600人)、香港(9,540人)、オーストラリア(7,600人)となっている。
2010年以降の統計を見ても、台湾から東北6県を訪れる客は他国と比較すると多かったが、さらなる誘致を目指して東北では台湾をターゲットにしたプロモーションを積極的に行ってきた。その成果もあり、ここ数年は台湾人観光客数が全体の3割近くを占めるまでになっている。
台湾の旅行社によると、「以前はまず、北海道や京都を旅行先に選んできた」という。しかし、リピーターの多い台湾からの訪日客は新しい旅行先を求めており、2016年10月から仙台−台北間の定期便が毎日運行となったのも追い風となっている。今年4月の京都の宿泊客割合では、台湾が前年同月比14%減だったが、これも東北へ流れた影響と考えられるかもしれない。台湾人の増加は、他国の観光客の増加をも後押しする可能性があり、今後も東北への外国人旅行者数に注目したい。
(やまとごころ編集部)
※本ページの表・グラフはコピー&ペーストで自由に転載いただけます。
最新のデータインバウンド
2023年世界のビザ開放度はコロナ前水準へ、デジタルノマドビザ導入は50カ国に-UN Tourism (2024.03.28)
2024年世界幸福度ランキング 1位は7年連続フィンランド、日本は51位に後退。世代間格差大きく (2024.03.26)
【訪日外国人数】2024年2月訪日客数 2019年比7.1%増の278万8000人、春節により台湾・ベトナムで過去最高値を記録 (2024.03.21)
2024年の4つの旅行トレンド「スポーツ観戦」「一人旅」「フレキシブルな旅」などーアメリカン・エキスプレス調査 (2024.03.19)
2024年1月 世界の航空需要99.6%まで回復、国際線は北米 国内線は中国が伸びを牽引 (2024.03.12)
2024年春節 中国アウトバウンド旅行の回復が加速。東アジア、東南アジアが人気 欧米の回復度合いは (2024.03.08)
2024年の旅行トレンド 検索は早め、アジア太平洋への関心高く。パリ五輪観戦も注目 ーエクスペディア (2024.03.04)
【宿泊統計】2023年12月の外国人延べ宿泊者数1230万人泊、大分で119%増。累計値2019年の水準まで回復 (2024.03.01)
世界の航空旅客数、2024年末に2019年を上回る予測 2042年に倍増。新興国・発展途上国で大きく成長 (2024.02.26)