インタビュー

2012.02.27

財団法人自治体国際化協会(CLAIR/クレア)交流支援部 経済交流課 課長荒田忠幸氏

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国内外の豊富なネットワークで日本と世界の交流活性化を推進

全国の自治体の国際化を支援する財団法人自治体国際化協会(以下クレア)は、自治体間の国際交流の推進や海外での物産展の開催などを通じ、多くの日本のファンを獲得しています。インバウンドの推進にも繋がるクレアの取り組みについて、交流支援部経済交流課課長の荒田忠幸氏にお話をお聞きしました。

目次:
JETプログラム
国際交流・国際協力の推進
クレアの業務紹介
海外での取り組み
ネットワークとブランディング

海外との交流を深めるために、どのような取り組みをされていますか。

➀JETプログラム
創立当初から取り組んできた交流事業に「JETプログラム」があります。これは語学指導等を行う外国青年招致事業で、主に小中高生を対象に、英語教育の面から日本人の国際化を推進するものです。2011年に25周年を迎え、累計参加者数が5万5000人を超える世界最大の国際交流事業と評価を受けています。
JETのOBの中には、日本のファンになって、帰国後にも日本関係の仕事に就かれている方が沢山いらっしゃいます。大使館勤務、日本の商社、日本の研究者など、多方面で活躍されています。また、震災に際しては、JETの現役、OBを問わず、多くの方々にご支援をいただき、とても感謝しています。

②国際交流事業
「海外自治体幹部交流協力セミナー」では、海外の自治体職員が日本の自治体を訪問し、互いの地域について理解を深めます。意見交換会では、日本で生活していては気づかない視点からのアドバイスをいただけます。受け入れ側の「発信したい」という気持ちと、来日側の「勉強したい」という気持ちをマッチングさせる事業です。

自治体間交流としては他にも「日中韓3カ国地方政府交流会議」、「日中地域間交流推進セミナー」、「日仏自治体交流会議」などを行っています。さらに、姉妹都市提携の斡旋もしております。姉妹都市は交流年数を重ねるごとに関係が親密になり、震災の際にいち早く支援金を送ってくださったのは姉妹都市でした。

③国際協力事業
国際協力事業のひとつである「自治体職員協力交流事業」では、6カ月から1年の研修期間中に、海外の自治体職員が日本でさまざまなノウハウや技術を習得します。登別市で「温泉」をキーワードに観光行政研修を行い、中国人観光客の受入体制作りに取り組んだり、群馬県で日系ブラジル人の生徒と保護者に対する心理的サポートを行ったりするなど、研修員が地域の行政課題に積極的に取り組んでいる例もあります。

その他、先進的な自治体の国際協力事業を支援する「自治体国際協力促進事業」、海外からの要請に応じ、専門的な技術や知識を持つ日本の自治体職員を派遣する「自治体国際協力専門家派遣事業」を実施しています。

クレアの業務内容についてお聞かせください。

クレアは1988年、地域の国際化を推進するため、地方公共団体の共同組織として設立されました。
東京本部の他に、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シドニー、シンガポール、ソウル、北京に海外事務所があります。スタッフ数は本部70名、海外90名で、職員の多くは地方自治体から出向しております。
出向期間は2年か3年と決まっているので、数年後にはスタッフの殆どが入れ替わってしまいますが、各地から集まった同期のネットワークはその後の情報交換などに役立っています。私自身も長崎県からの出向です。

業務内容は、JETプログラムの推進、国際交流・国際協力の促進、自治体の海外経済活動の支援、多文化共生や地域国際化の支援、人材育成、国内外の情報収集など多岐に渡ります。東日本大震災の際には、クレアが持つボランティアのネットワークを使って、13言語で被災地の情報を発信しました。昨年と今年は風評被害対策にも取り組んでいます。

海外での取り組みについて教えてください。

自治体の海外経済活動への関心の高まりを受けて、クレアでも支援する体制をつくりました。そのひとつとして、平成22年度より海外で「日本ふるさと名産食品展」を開催しています。物産展は期間が短いので、利益をあげる場ではなく、テストマーケティングと販路開拓の機会と位置づけています。商品の提供だけではなく、出展者の方にも来てもらい、販売に従事することにより、お客様の反応を直接感じていただいています。

第1回目は平成23年3月に上海で開催しました。非常に好評でしたが、期間中に震災が起こり、中国への販路拡大には残念ながらつながっていないようです。平成24年2月に香港で開催した2回目の物産展には私も現地に行きました。果物が特に人気ですぐに完売していましたね。値下げをした商品もありましたが、ほぼすべての商品を完売することができました。今年度は10月の香港に加え、来年2月頃上海でも予定しています。来年度以降は成長著しい東南アジアで開催できないか研究しているところです。

クレアの強みは何でしょうか。

クレアの強みは、国内外に豊富なネットワークを持っていることですね。7つの海外事務所の活動とさまざまな国際交流・国際協力事業によって培われたものです。
例えば、海外から研修に来られる方が派遣元の自治体に帰ると、受け入れ自治体と派遣自治体の架け橋になってくださり、その方を窓口にして色々な事業が発展します。自治体を通じて、是非クレアのネットワークをご活用ください。

また、7つの海外事務所が自治体と連携して、観光展や日本紹介イベントに参加するなど、訪日観光客の誘致にも取り組んでいます。地方のブランディング、ファン作りにも役立っていると思います。

ホームページには調査研究の成果や海外事務所からの最新のレポートなどを掲載していますので、是非ご覧ください。
http://www.clair.or.jp

取材:Kanako Morishita

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