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★訪日客の85%は早朝観光に意欲的 欧米豪ターゲットに促進 —観光庁調査

2018.07.19

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観光庁は6日、公的施設等の早朝開館に関する調査結果を発表した。

これによると、訪日客の約85%が早朝開館等の企画への参加に意欲的で、特に神社・仏閣、名所・史跡、庭園などへの興味関心が多かった。また、企画への支払可能金額は、欧米豪からの旅行者の約50%が11ドル以上と平均より高く、さらにそのうちの約25%が21ドル以上としている。
早朝企画の参加者の約30%は滞在中の消費(交通費、宿泊費、飲食費、土産等)が増加し、36%がクレジットカード決済によりチケットを購入。さらに64%が電子チケットを発券しているということがわかった。

一方で、公的施設等では約20%しか早期開館等の企画を実施しておらず、これらの企画に訪日客が施設に支払った金額は「無料」が70%だった。企画を行う上での課題には、人員配置・オペレーションのコストが挙げられ、さらに、チケットのクレジットカード決済による予約・購入に対応している公的施設等は約20%、電子チケットの発券も約5%に留まっている。

今回の調査では、訪日客のニーズに対する施設側の対応が進んでいないことが浮き彫りとなった。政府はこの調査結果を踏まえ、朝観光の推進に向けて対策を進めていくという。

具体的には、欧米豪をターゲットとし、施設の早朝開館にかかる付加価値や人件費などのコストを加味した適切な入場料を徴収するほか、地方自治体・DMO・民間企業と地域が一体となり、訪日客のニーズに合う商品造成を促進する。また、チケット購入時のクレジットカード決済対応や電子チケット販売などの受け入れ環境整備を通じて、訪日客のアクセス改善を図る。

なお、京都の二条城ではすでに朝観光に力を入れており、7~8月にかけて、早朝の涼しい時間帯にゆったりと城内を散策できるよう「世界遺産二条城夏の早期開城」を行っている。

(やまとごころ編集部)

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