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★民泊新法施行から1カ月 低迷続く届出、競合減少により値上げも

2018.07.17

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民泊のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から15日で1カ月が過ぎた。政府が増加の見込まれる訪日客の受け皿とするため進めてきた民泊新法だが、施行から1カ月が過ぎても届出数は伸びず、低調な状態が続いている。

新法では民泊を始める際には全国の自治体への届出を提出、認定されてからの営業が認められているが、観光庁によると7月6日時点での届出は全国で5397件。うち既に認定された物件数は3938件に留まっている。施行直前の6月8日時点での届出は全国で2707件、うち認定済物件数1134件と比べると増えてはいるものの、施行前には6万件以上あると見られていた民泊物件数に比べると、大幅に減少した状態であることは変わりない。

消防法などの法に基づく手続きが必要であることや、提出書類が多いことなどが、届出数が伸びない背景にあると観光庁の担当者はみている。認定された民泊の中には、競合相手が減ったことで宿泊料を上げる施設も出てきている。

民泊新法では1年間の民泊営業を180日までと制限しているが、さらに自治体によっては、営業日数や営業区域を制限できることになっている。
例えば、京都市では10分以内に管理者が到着できない家主不在型の民泊の場合、市内の住宅専用地域における営業は1月15日正午から、3月16日正午までに制限するなど、独自の厳しいルールを設けている。その影響もあり京都市で認定された民泊物件数は29件に留まっている。

一方、大阪市や東京都大田区など全国6自治体の国家戦略特区制度(特区)では、180日の営業日数制限はないなど、ゆるい規制のもと民泊を営業することができる。そのため、新法施行後も特区制度に基づく認定数が増えており、中でも大阪市は認定数が突出しており、6月末時点で854件となっている。

(やまとごころ編集部)

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