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★訪日タイ人女性、保険未加入で治療費1800万円

2017.08.25

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訪日外国人が急増する中、旅行保険に未加入で入国し、日本滞在中に病気やけがで病院にかかった際の医療費を、自費で支払わなければならないケースが相次いでいる。

朝日新聞によると、今年1月に日本を訪れたタイ人女性が急病にかかり、手術や治療にかかった医療費が約1800万円にも上ったという。

タイ北部のチェンマイに暮らすワンウィサ・ジャイジュンさんは、「雪が見たい」という理由から、今年1月に友人と3人で新潟県のスキー場や富士山を訪れた。帰国予定の同月20日、東京都内を歩いていた時に突然倒れ、病院に搬送された。

搬送先で治療にあたった担当医によると、彼女は全身の臓器に十分な血液を送れない「虚血性心不全」と、不整脈が続く「心室頻拍」を併発していたという。5回に渡る手術と治療で一命を取り留め、2月中旬には意識を取り戻して快復に向かった。

しかし、保険に入っていなかったワンウィサさんの医療費は約1800万円に。友人がタイ国内で募金を呼びかけ、約150万円が集まったが、完済の目処は立っていない。4月に帰国し、チェンマイで仕事に復帰したワンウィサさんは「医療費は一生かかっても、少しずつ払っていきたい」と話している。

在日タイ大使館によると、訪日タイ人観光客の保険加入率は1割程度だという。観光庁の調べでは、訪日客の約3割が旅行保険に加入していないことが明らかになっており、訪日客の増加に伴う課題として浮かび上がっている。

(やまとごころ編集部)

出典:

朝日新聞

 

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