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地方のインバウンド誘致 海外富裕層の定義持たない自治体が9割に

株式会社矢野経済研究所は12日、全国の地方自治体におけるインバウンド誘致に関するアンケート調査の結果を公表した。調査は2月~3月にかけて、全国47都道府県および全国20政令指定都市のインバウンド誘致関連部課を対象に、郵送紙面アンケート方式で行なった。

まず、各地方自治体が現状抱えている組織的な課題について聞いたところ(複数回答)、最も多かったのが「人員規模」69.0%、次いで「専門的な知識・スキル」64.3%、「予算規模」61.9%、「地域内の観光関連の連携」59.5%の4つがおおむね6割を超えた。人員・予算といった基本的な課題と同等に、「専門的な知識・スキル」といった質的な課題を抱えていることがわかった。この結果を受けて、矢野研究所では、ひと昔前のヒト、カネだけでは不十分で、現在の観光施策はより専門的な知見・経験を必須とするフェーズに入っていると指摘している。

次に、各地方自治体での海外富裕層の定義の有無を尋ねたところ「どちらかと言えば、ない」が34.1%、「ない」が56.8%で、合計すると90.9%に達し、ほとんどの自治体で海外富裕層の定義が存在しないことがわかった。

アンケートの別設問では海外富裕層に特化した計画・施策を有する自治体が一定数存在していることがわかっているが、一方で海外富裕層の定義は持っていないことになる。インバウンドでの消費金額を増大させる一つのキーワードとして海外富裕層が取り沙汰されるが、現状では相手がどのような条件で、どのように行動し、何を求めているかといった基本的な分析ができている自治体はほとんどなく、”海外富裕層”というキーワードだけが独り歩きしている実態が浮き彫りとなった。

(やまとごころ編集部)

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