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地方の「コト消費」でインバウンド消費アップ、訪日客のスキーやスノボ体験による経済効果も試算 —2019観光白書

政府は6月21日、2019年版(令和元年版)の観光白書を閣議決定した。観光白書は、最近の観光動向や観光がもたらす経済効果について幅広い観点から分析するとともに、観光立国実現に向けて今後講じようとしている施策などをまとめたもので、観光立国推進基本法に基づき、毎年国会に提出されている。

今年の白書の中では、インバウンドによる経済効果が大都市のみならず、地方にも波及し、すそ野が広がってきていることに言及。リピーターの増加で、特に地方を訪れる外国人旅行者が増え、地方部でのインバウンド消費額も年々増加している。特に地域ならではの体験をする「コト消費」が消費額全体を後押ししている。一例としてはスキー・スノーボードを実際に体験した訪日客1人当たり旅行支出額が22.5万円なのに対し、体験なしの場合は15.2万円にとどまった。その差額をもとに試算したところ、スキー・スノーボードを体験することによる経済効果は約650億円にのぼることが分かった。

さらに宿泊業においては雇用・賃金・投資額ともに伸びている点を指摘。宿泊業の従業者数は2012年に55万人だったが、2018年には63万人に達した。この6年間の全産業の平均増加率が6.3%に対し、宿泊業は14.5%と平均の2倍以上の伸びを見せており、平均賃金も6年間で11.0%上昇した。また、宿泊業の建築物工事予定額は2018年には1兆円を超え、2012年からの6年間で9倍になった。工事予定額を地域ブロック別にみると、関東が9.5倍だったのに対し、北海道では52.5倍、近畿14.8倍、九州12.9倍と6年間で2桁を超える倍率で伸びており、地方においてホテルの建設ラッシュが続いている。

また、外国人旅行者の増加が国内の観光地にもたらすプラスの影響も取り上げている。Wi-Fiの整備や店舗の増加、トイレの設備改善など外国人旅行者のみならず、国内の旅行者にとっても好影響が出ていることを示した。
一方で、観光客の集中よる混雑は各地で課題となっており、それに対する各地域の取組として、京都嵐山や鎌倉江ノ電での例を紹介し、観光客も地元住民も快適に観光できるような環境づくりの必要性を指摘している。

詳細:【観光庁】報道発表

 (やまとごころ編集部)

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