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新型コロナウイルスに関する調査結果発表、訪日客の情報収集手段や宿泊施設の対応などが明らかに

2020.02.05

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新型コロナウイルスによる肺炎の情報が刻々と変化する状況下で、旅行先の日本国内にいる訪日外国人がどのように情報を集め、対策を取ったか等について、サーベイリサーチセンターが調査した。調査は1月29日時点に日本に滞在した訪日外国人旅行者を対象に、外国語の話せる調査員による面接の聞き取り方式で行われ、256サンプルの有効回答を得た。

新型コロナウイルスによる肺炎に関する情報は母国語で収集

まず「新型コロナウイルスによる肺炎」をいつ知ったかとの質問には、発生国で抑え込みを指示と報道された1月16日~23日が29.7%と最も多く、ウィルス検出報道前の2019年12月1日~2020年1月8日に認知している旅行者は20.7%だった。

続いて、新型コロナウイルスによる肺炎の影響で「旅程の変更をした」旅行者は6.6%にとどまり、85.9%は「旅程の変更はしなかった」と答えた。旅程を変更した人にきっかけを聞いたところ「発生国地域での感染拡大の報道」が47.1%と最も多かった。

新型コロナウイルスによる肺炎に関する情報源は、「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」が66.8%と最も多く、「友人のメールやSNS」が55.1%、「日本のテレビやラジオ」が19.1%と続いた。そのうち、最も役に立ったと答えた情報源は「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」が48.2%、「友人のメールやSNS」が29.2%となったが、「日本のテレビやラジオ」は4.7%に留まった。

ホテルでの情報提供は3割、自分で探した人が半数以上

滞在していたホテルで「情報の提供があったか」また「理解できたか」は、「情報の提供があり理解が出来た」が30.5%であった一方、「情報の提供は無く自分で探した」が55.5%となった。

滞在したホテルでの新型肺炎コロナウイルスに関する対策は、「アルコール等の洗浄剤の設置」51.6%、「手洗い・うがい等の実施の指示」16.4%、「マスクの配布」12.5%といった対策が取られていた一方、「特に対策は無かった」が34.4%となった。

新型コロナウイルスによる肺炎に対する予防策として実施したことは、「手洗い・うがい等の実施」80.9%、「アルコール等の洗浄剤の使用」75.4%、「マスクの着用」70.7%と、この3つの予防策が他の予防策と比べて多く見られた。中には「握手やハグ等の人との接触をなるべくしないようにする」「発生国地域の人が多いところを避けた」等の回答もみられた。

訪日客が感染した際には医療機関などのスムーズな案内への期待が

新型コロナウイルスによる肺炎に対して困ったことはの問いには、「困ったことはなかった」との回答が66.4%と最も多く、訪日旅行中の活動に対しては影響が少なかったことがうかがえる。

新型コロナウイルスによる肺炎等の感染症発生時の対応として希望することは、「医療機関情報などを提供してほしい」43.0%、「インフォメーションセンターでの情報提供を充実してほしい」42.6%、「滞在していたホテルで感染症対策の指導等をしてほしい」32.4%などが求められているようだ。

「新型コロナウイルスによる肺炎」等の感染症の対策として大切だと思うことは、「感染者を早期発見するために「空港の入出国時の検査」を徹底する」が69.1%と最も多かったが、「手洗いやうがい等を徹底する」62.9%や「感染予防としてのマスク着用等を徹底する」55.5%など、国や行政に拠らず旅行者自身ができる意見も多くあげられた。

(やまとごころ編集部)

 

 

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