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新型コロナウイルス終息後に観光回復キャンペーン、政府が検討 未来投資会議にて

政府は5日に開かれた未来投資会議(議長・安倍晋三首相)において、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた今後の経済政策のあり方を議論した。製造業においては中国から日本へのサプライチェーン(供給網)の混乱が起きているため、今後は中国依存度が高い一部製品については生産拠点を国内回帰させたり、東南アジアに分散化させる支援を行なう。

訪日外国人の旅行キャンセルが相次ぐ観光業においては、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に全力を挙げる一方、終息後には、オリンピック・パラリンピックに向けて官民一体で観光需要喚起を図るキャンペーンを実施する方針を示した。

会議のなかでは、新型コロナウイルスの感染拡大による観光への影響についても話し合われた。訪日外国人旅行のキャンセル・延期数は2月7日調査時点では164社3万4000人だったのが、2月28日には729社10万6000人に急増していた。政府要請で外出を自粛する動きが広がったことで、日本人の国内旅行、海外旅行も延期やキャンセルが相次いでいる。

▲第36回 未来投資会議戦略資料より

また、貸切バスのキャンセル状況も、対前年比で2月が14%減、3月51%減、4月53%減とますます拡大する予測が出ている。

訪日外国人数は2012年に836万人だったのが、2019年には3188万人と4倍に増加した。このうち、中国人は143万人(17.1%)から959万人(30.1%)と7倍に増加。その存在感を強めている。旅行消費額においてもインバウンドが占める割合は年々増加しており、2019年の訪日外国人の旅行消費は4.8兆円で、日本全体の旅行消費26.7兆円の18%を占める。そのうち、中国人による消費は1.8兆円と日本全体の7%。中国人による消費は、「買物」が52.9%、「宿泊」が20.5%、「飲食」が16.7%となっている。

また、2018年の宿泊施設における中国人宿泊者の割合は、全国平均は5%、最も多い近畿地方でも8%に留まる。現実には、宿泊者の7割以上は日本人であり、外出自粛による日本人の宿泊減少も大きな課題だ。

こうしたことから、旅行会社や宿泊施設のみならず、小売りや外食、レジャー産業など幅広い分野で観光需要を喚起する必要があると指摘。当面は資金繰りや雇用維持への支援が重要だが、終息後は国内外から全国へ人を呼び込む大規模なキャンペーンが必要との認識が示された。

(やまとごころ編集部)

 

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