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デジタル技術を活用し能の魅力を大阪から訴求、新たな客層拡大に向けて日本の伝統芸能を世界に発信

2021.03.15

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大阪を代表するスポットである大阪城と太陽の広場を舞台に、公益財団法人山本能楽堂が能のデジタル映像作品を制作し、オンデマンド配信を行なっている。「大阪から世界へ!」を合言葉に、臨場感の溢れる最新の4Kデジタル技術や360度カメラで撮影されている。また、伝統芸能に興味を持つ外国人を含めた幅広い層が視聴できるよう日本語と英語の字幕をつけている。新型コロナウィルス感染症流行により、通常の公演が行えない舞台芸術の苦境打開を狙うとともに伝統芸能の継承を図る取り組みで、文化庁の「文化芸術収益力強化事業」の一環として新しい観客層へアピールする。

配信される演目は、古くは太閤秀吉も愛した「高砂」「石橋」と、源氏物語を題材にした人気演目の「葵上」の3本。今回のプロジェクトでは特別許可のもと、雄大な大阪城前で「高砂」、オブジェとの対比が面白い太陽の広場で「石橋」、そして大阪城内では「葵上」の作品を収録した。「葵上」では照明家で世界的に知られるダムタイプの藤本隆行氏の照明デザインの元、360度カメラ2台で収録を敢行、VR映像にて能舞台の幽玄な雰囲気に浸る世界観を実現した。これらは配信プラットフォーム「観劇三昧」「U-NEXT」「360channel」から視聴可能だ。

この3作品のリリースを機に、能の理解と普及を目的としたプロモーションも同時進行させている。能の入門動画としてドキュメンタリー動画も作成し、今回の挑戦をまとめたダイジェストとともにYouTubeで無料配信中だ。また「ようこそ能楽堂へ」と題し、歴史や衣装、能面の役割などについてわかりやすく解説する動画も配信、「現代に生きる魅力的な芸能」としての能の魅力を伝えることを目指す。

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