大阪市魅力発信事業

2025年大阪・関西万博に向けて注目が高まる観光・インバウンド業界のSDGs

2020.03.10

SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに達成すべき国際目標として2015年9月に国連サミットで採択されて以来、企業や組織などあらゆるプレイヤーが取り入れるべき視点として世界的に注目を集めている。

インバウンド業界では、訪日客の急増により、観光地における交通混雑やゴミの増加などオーバーツーリズムが地元住民の日常生活に影響を及ぼしている。観光業においても地域社会や環境に配慮したSDGsの視点は欠かせない。ゴミやプラスチック製品の削減に取り組むホテルや地元食材を積極的に使う飲食店、ガイドの育成により雇用促進を図るツアー会社など、観光に関わる各プレイヤーが環境にやさしく、地元の文化・経済に貢献できるような取組を進めている。

2019年に開かれたG20大阪サミットにおいても「SDGsに対する観光の貢献」が議論された。2025年の大阪・関西万博でもSDGsの推進が開催目的のひとつとされており、今後ますますこうした取組が加速していくだろう。SDGs先進都市を目指す大阪において、プラスチックを使わないエコカップや鉛を使わない鏡など特徴ある商品・サービスを提供する企業を紹介する。

 

体にも環境にもやさしいホタテの貝殻から作った水性ネイル

水性ネイル「Ai Treatment Care Nail」の製造販売をする株式会社創美JAPANの商品は、環境にやさしいホタテの貝殻を原料としているのが特徴だ。抗菌除菌作用に優れ、細胞の活性化を促す効果があり、爪を乾燥から守ってくれる。従来のマニキュアやジェルネイルに含まれる有機溶剤を一切使用していないため、爪にやさしく、除光液を使わなくてもお湯で簡単に色を落とすことができるのもポイント。色を塗ってから1~2分で乾き、速乾性にも優れている。

すぐ乾き、お湯で落とせる手軽さは、旅行中にちょっとした指先のおしゃれを楽しみたい外国人観光客にも使いやすい商品だ。88色のカラーバリエーションで選ぶ楽しみが広がる。

 

ハラル認証取得の商品で海外マーケットを開拓

国内向けの水性ネイルにはケラチノモイスト、プラセンタ、コラーゲンなど動物由来の美容成分が入っているが、海外向けの商品として、すべて植物由来の美容成分に置き換えたムスリムフレンドリーな水性ネイルを開発。ノンアルコール、ノンアニマルの商品として2019年5月にはハラル認証を取得した。東南アジアや中近東のイスラム圏マーケットに向けて、販路拡大を目指している。

現在、マレーシア・シンガポール・インドネシア・台湾・ベトナム・タイ・フィリピン・韓国のアジア8カ国に向けて越境ECに着手。大阪発のエコな水性ネイルとして、特に女性の外国人観光客向けに訴求していく。

企業情報
株式会社創美JAPAN(https://sobijapan567.com/
商品・サービス概要:ハラル認証水性ネイルの販売


 

ゴミを出さない食べられるカップは飲食業の救世主?!

テンセンス株式会社はクッキーでできた、食べられるデミタスカップ「エコプレッソ」を製造販売する。エスプレッソの「苦い」「少ない」というマイナスイメージを払拭し、おいしく楽しく飲んでもらうため、カップをクッキーで作ったのがきっかけだという。実際に彼らが運営するカフェでお客様に提供してみると、多くの人から「カップがそのまま食べられるのはエコですね」との声が寄せられた。

プラスチックごみに直面する飲食業においては、今後ますますニーズが高まるものと思われる。また、皿洗いの手間が省ける点においても人手不足に悩む飲食業では導入ポイントになる。

 

エコプレッソを大阪発の新しいエコツアーに

クッキーカップの見た目のかわいさとエコという観点から、これまで多くの企業やアーティストとのコラボ展開が実現した。韓国をはじめ、海外のコーヒーチェーン店からの引き合いも多い。最近では、SNS映えポイントを巡るインバウンドツアーに組み込まないかと旅行会社から声がかかったという。海外からの観光客が大阪へ来た際に気軽に立ち寄ってもらい、旅の思い出やお土産としてエコカップを体験してもらいたいという。

カフェ店内ではエコプレッソメニューのほかにも、服や家具のリユース商品の販売も行なっており、売り上げの一部を地球環境の保護活動を行う団体へ寄付する「エコプレッソ基金」を設立し、エコを後押しする事業も手がけている。

企業情報
テンセンス株式会社(https://www.10sense.co/
商品・サービス概要:クッキーでできた「エコプレッソ」を製造販売


 

鉛を使わず、色の再現性を高めた特許取得済みのメイク鏡 

「鏡の町」として知られる大阪市平野区に1955年創業した堀内鏡工業株式会社では高品質の化粧用鏡を製造販売している。かつては多くの鏡製造会社が集まっていた平野区だが、現在は海外製品に押され、その数も減ってきている。鏡の製造には切り離しや面取りなど、どうしても職人の手作業が必要な工程があり、堀内鏡工業では今も、熟練の職人が手づくりでMade in Japanの鏡を作り続けている。

なかでも特許を取得したナピュア®ミラーは、独自技術によって本来の色を忠実に映し出せる鏡だ。一般的な鏡は青い光を吸収し、どうしても肌が黄ばんで見えてしまうが、ナピュア®ミラーは本来の肌色を忠実に映すことができる。また従来の鏡に使われていた鉛を使わないため、環境にやさしいのも特徴だ。

 

インバウンドの女性客に訴求

現在は梅田スカイビルロフト、東急ハンズのほか、ECではアマゾン、テレビショッピングで取り扱いがあるが、今後は空港の売店などでも旅行携帯グッズの一つとして販路拡大を目指している。女性にとってメイクは、旅行中でも重要な要素で、化粧ポーチの中に鏡を携帯する人は多い。また、ホテルのアメニティとして使いたいという引き合いも来ている。

ナピュア®ミラーは本来の肌の色を忠実に映すため、大手化粧品メーカーの美容部員の中にも愛用者が多いという。デパートの化粧品売り場は、インバウンド女性客の人気も高いが、そこでもナピュア®ミラーの展開が見込めそうだ。

企業情報
堀内鏡工業株式会社(http://www.cr-horiuchi.co.jp/
商品・サービス概要:鉛を使わない鏡


 

旅の写真をプリントした世界に1つだけのお土産を

カバン、袋物の製造を手がけるサンワード株式会社は滋賀に自社工場を持ち、サンプル縫製から企画、裁断、仕上げまで一貫対応できるのが強みだ。数多くのOEM製品を担うほか、縫製メーカーとしては珍しく、転写プリンターを社内に持っている。

このプリンターを活用して、訪日外国人客をターゲットに世界に1つだけのお土産を作成するサービスを開発している。具体的には、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した旅の思い出写真を送れば、それを転写したトートバッグやポーチを帰国までに渡すというもの。小ロットから作れるので、「観光地のPRとして写真をプリントしたバッグを作りたい」とインバウンド誘客を狙う観光地や自治体からも依頼が寄せられるという。

 

長く愛用したくなるストーリー性のある商品を開発

転写プリントバッグのほかにも、「社会貢献」をコンセプトにした商品開発に力を入れている。東日本大震災の復興支援の一環として、福島県の障がい者作業所の方々に木製ボタンの加工を依頼し、バッグに縫い付けた「モンガ・クナップ」という商品シリーズを販売している。また、規格外の消防用ホースが産業廃棄物として捨てられている現状を知り、バッグの生地としてリユースした商品を開発。耐久性に優れ、長く愛用できるのが特徴だ。

ほかにも、ダウン症の少女が描いた絵を転写プリントしたバッグや、ペットボトルの再生素材から作られたバッグなども展開。地域社会と連携しながら、リサイクル素材を活用した商品づくりでSDGsの取組を推進している。

企業情報
サンワード株式会社(http://sunward-beban.co.jp/
商品・サービス概要:転写プリントカバン、復興支援カバンの製造販売


 

世界40カ国以上の観光客に日帰りツアーを提供

Japan Exploration tours JINでは、大阪と京都を中心に訪日外国人向けの日帰り体験ツアーを実施している。現地ならではのユニークな体験を提供するAirbnbの「体験ホスト」にも登録しており、大阪下町エリアでのハシゴ酒ツアーや、箕面でのハイキングなど、地元の人だからこそ提案できるガイドツアーを提供している。販売ルートはAirbnbのほか、Trip Advisorなどオンライン予約をメインに展開。また、Booking.comで宿泊予約した人を対象に体験コンテンツを案内するBooking experienceでも告知を行っている。案内や当日のガイドはすべて英語のため、アメリカをはじめ、イギリス、ドイツ、シンガポールなど英語圏からのインバウンド客が多い。これまでに40か国以上の観光客に対応している。

 

地元の人脈を生かしたツアー内容とガイド養成で地域に貢献

現地発着ツアーを提供するランドオペレーターとして、業務委託ガイドも雇用。質の高いガイド人材を確保するため、ツアーガイドの養成講座も開いており、これまでに50人以上の受講があった。将来的には大学の観光学科などへのカリキュラム提供も視野に入れ、持続可能な観光に欠かせない観光人材の育成による地域活性化に力を注いでいる。

海外からの観光客は日本ならではの体験ツアーを求めており、お寺の住職や伝統工芸の職人など、地元の「人」も重要な観光コンテンツとなる。JINでは地域の人とコミュニケーションをとりながら、地域を熟知した地元在住のガイドだからこそ実現できる穴場や珍しい体験を企画している。

企業情報
Japan Exploration tours JIN -仁(https://jet-jin.com/
商品・サービス概要:現地集合現地解散のツアー、ガイド育成


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