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★2018年の世界都市総合力ランキング、東京は3位。文化・交流の改善が急務の課題

2018.10.24

森記念財団都市戦略研究所は「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」の2018年度版を発表した。世界の44都市を対象に、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野から総合的に評価。都市を取り巻く状況の変化に対応するため、今年から新たに「働き方の多様化」や「ビジネススタートアップ」「地球環境問題への意識」に関連した指標を追加した。

2018年のランキング上位5都市は次の通り、昨年と同様の結果となった。

1位 ロンドン
2位 ニューヨーク
3位 東京
4位 パリ
5位 シンガポール

7年連続総合1位のロンドンは、文化・交流分野が強みで、16指標中13の指標でトップ5入りとなった。2位のニューヨークは経済分野の「ワークプレイス充実度」や研究・開発分野の「スタートアップ環境」で高評価を得た。3位の東京は「総労働時間の短さ」で改善が見られ、居住分野でトップ10入りとなったが、逆に「環境への取り組み」の評価が低く、環境分野は12位から29位へと大きく下落した。

東京がロンドン、ニューヨークのトップ2都市を抜いて1位になるためには、大きく差が開いている文化・交流分野の改善が急務である。「食事の魅力」や「買い物の魅力」でスコアが高 い一方で、「歴史・伝統への接触機会」「外国人居住者数」「ハイクラスホテル客室数」などの指標で大きく引き離されている。2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックは、東京にとって最大のチャンスである。このチャンスを活かして改善されることを期待したい。

(やまとごころ編集部)