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2018年国際観光トレンドUNWTOが発表。日本が観光収入で9位に浮上

2019.09.09

国連世界観光機関(UNWTO)がツーリズムハイライツ2019年版を発表。2018年の国際ツーリズムの傾向を解説している。

アジア太平洋は旅行者数・観光輸出額共に7%増と好調

海外旅行者数(国際観光客到着数)は既報の通り前年比5%増の14億人に到達し、2020年の予測値を前倒しで達成した。また、国際観光輸出額も前年比4%増の1兆7000億米ドルに達した(詳細はこちら)。特にアジア太平洋では、旅行者数、観光輸出額とも前年比7%と顕著な伸びを示している。好調な世界経済が観光産業の成長を支えており、航空便の需要増、デジタルテクノロジーの進歩、eビザの増加なども旅行者の増加に寄与した。

世界における6つの消費トレンド

また、消費者のトレンドについては以下の6つが挙げられた。

・「変化を求める」旅ー暮らすような旅、本物と変化を求める
・「見せる」旅ーインスタ映えする瞬間、経験、旅先
・健康な生活の追求ーウォーキング、ウェルネス、スポーツツーリズム
・「シェアリング・エコノミー」の増加
・一人旅&複数世代での旅ーシニア層と一人世帯の増加
・サステナビリティに対する意識の向上ープラスティックフリーと地球温暖化

入国者シェアは5割がヨーロッパ

入国者数の地域別シェアは多い順に、ヨーロッパ51%、アジア太平洋25%、北中南米15%、アフリカ5%、中東4%。観光収入のシェアは多い順に、ヨーロッパ39%、アジア太平洋30%、北中南米23%、中東5%、アフリカ3%で、両方ともアジア太平洋が1%増え、その分北中南米が1%減った。 
地域別入国者割合(2018)

地域別観光収入割合(2018)
大陸別に見ると、ヨーロッパでは南欧・地中海地域で入国者数前年比8%増、観光収入同7%増と大きく伸びた。アジア太平洋では、インドを筆頭にイラン、ネパール、スリランカに勢いがある南アジアが入国者数で前年比19%増、観光収入同10%増と二桁台の伸びを示した。唯一前年よりポイントが減った北中南米では、北米は入国者数が前年比4%増と平均的な伸びを示したが、中米とカリブ海がマイナス成長だった。アフリカは入国者数が前年比7%と大きく伸びた。

日本は入国者数、観光収入共順位を上げる

それでは、入国者数と観光収入のトップ10を見てみよう。

入国者数ではフランスが1位を維持、5位までは前年と変化がなかった。6位のトルコは前年に続き22%という大きな伸びで、2つ順位を上げた。逆にイギリスは前年比3.5%減で7位から10位に後退。これら上位10カ国で全体の40%を占める。

日本は2017年より1つ上げて11位になった。アジアでは中国、タイに次ぐ3位で、全体で9位のタイとの差は前年同様約700万人だった。

国別入国者数ランキング
観光収入では2カ国が順位を上げた。7年連続で二桁の伸びを示した日本は2017年の10位から1つ上げて9位。前年9位のマカオがトップ10外に落ち、入れ替わりに中国が10位に浮上した。これら上位10カ国で全体の50%を占める。

国際観光収入ランキング

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