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ラグビーワールドカップ2019日本大会の経済効果6464億円、訪日客の消費金額68万円 平均滞在期間は16泊に

2020.06.30

ラグビーワールドカップ2019日本大会開催後の経済効果分析レポートが公開された。インバウンド誘客に大きな成果を挙げ、大会史上記録的な成功を納めたアジア初のラグビーW杯の、具体的な数字が明らかになった。

チケット完売率はラグビーW杯史上最高の99%を記録、その販売数は172万枚に達し、スポーツで最も人気があるメガイベントであることが改めて証明された。施設のインフラ整備に始まり、国内外の観戦客などが行った消費活動などを含めると、その経済波及効果は6464億円で、GDPでの増加分は3515億円に達し、W杯史上最大の経済効果を国内にもたらした。

経済波及効果には特に訪日客が貢献し、一人あたりの消費金額が68万6117円と、2018年の消費金額14万7907円の4.6倍に。ラグビーは競技の性質上、試合と試合の間に長いインターバルがあり、特定チームの試合を観戦するには日数を要する。今回、一人あたりの平均試合観戦数が多いオセアニアとヨーロッパからの訪日客が76%を占めていたことから、平均の宿泊数が16泊と長期化し、2018年の平均6泊と比較して約2.7倍、1人1泊あたりの消費単価も4万2644円で約1.7倍と大幅に伸びた。また消費行動においてエンターテイメント志向が強く、消費の内訳としては、飲食、交通、娯楽サービスなどの単価が高く、買物の単価が低い。

なお、チケット販売総数のうち訪日客の購買数は28%であり、その大多数は東京から入国し、全国12カ所に散らばった開催都市を訪問している。観戦するための地方移動にかかる交通、宿泊、飲食費などが経済効果を押し上げたことがわかった。

アンケートでは、このラグビーW杯で初めて日本を訪れた観戦客の割合は約60%で、再訪への強い意志を示したのは約75%に上った。2018年の訪日客調査で相応する数字は57%だったことと比べると、このような国際的メガスポーツイベントが再訪意欲を刺激し、将来のインバウンド効果をもたらす可能性が高いことが伺えた。

(やまとごころ編集部)