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【コロナ:世界の動き】入国規制緩和 中国、韓国、台湾などと交渉。入国拒否146カ国へ。2021年東京オリンピックに向け、国境はどう再開されるのか

2020.07.23

官邸で開かれた「第41回新型コロナウイルス感染症対策本部会合」において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための水際対策として行っている入国制限について話し合われ、第2弾となる往来再開や、在留資格を持つ外国人の「再入国」制限を緩和などの方針が明らかになった。日本の入国規制緩和の動きをまとめてお届けする。

 

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日本:12の国と地域とビジネス往来再開へ向け協議

政府は22日、新たに中国や韓国、台湾など12の国と地域とのビジネス往来再開の協議を始める方針であることを公表した。新型コロナウイルス感染症対策本部会合において決った。

往来再開の対象国となるのは、中国、韓国、台湾、香港、マカオ、カンボジア、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオス。これらの12の国と地域の間で、ビジネスでの出入国を相互に認めるための協議を速やかに始める。出入国緩和の第1弾として協議を進めているベトナム、タイ、ニュージーランド、オーストラリアの4カ国に続く、出入国規制緩和の第2弾の位置づけとなる。

 

ビジネス目的の入国も短期間、少人数などを条件に

また、その他の国・地域からビジネス目的の入国についても、滞在期間の限定(原則72時間以内)、少人数によるビジネスジェットの利用、 訪問場所・接触者を限定することを要件に、入国を認める方向で検討していくという。ビジネス上のニーズの高いヨーロッパやアメリカからの企業経営者などの入国も、準備が整い次第、実施されるようになる。

 

留学生など、在留資格を持つ外国人の再入国も開始へ

留学生など在留資格があるものの、一時帰国したまま日本に戻れなくなっている人に対して、出国前のPCR検査の実施などを条件に順次、再入国を許可していく。

現在、日本は「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4つのカテゴリーの在留資格を持つ外国人が、入国拒否の措置が始まる前に出国したケースの場合にのみ再入国を認めている。今回さらに、「経営・管理」「高度専門職」「技能実習」「教育」「留学」などの在留資格を持つ外国人で、現在、日本から出国している約10万人の再入国も認めるという。このうち、入国拒否の開始前に出国した約9万人の再入国から開始していくという。

 

ネパール、ケニアなど17カ国を入国拒否対象に追加

政府は、入国拒否の対象地域として、7月24日午前0時から、 新たにネパール、ケニアなど17の国と地域を加える。これにより日本が入国拒否を行う対象地域は、合計で146の国と地域となる。 14日以内にこれらの地域に滞在歴のある外国人は、特段の事情がない限り、入国拒否対象となる。

新たに対象国となるのは、ウズベキスタン、ケニア、コモロ、コンゴ(共)、シエラレオネ、スリナム、スー ダン、ソマリア、ナミビア、ネパール、パラグアイ、パレスチナ、ベネズエラ、ボツワナ、マダガスカル、リビア、リベリア。

 

中国:外資系企業の駐在員5000人が入国

中国の民用航空局は17日、日本航空(JAL)による「東京-大連」間の国際線4便の運航枠を、週1往復から2往復に増やすことを発表した。これにより、7月21日から10月24日まで週2往復の運航が認められる。このほかにも、中国東方航空による「東京-西安」間の運航が21日より開始し、深セン航空による「深セン-成田」間の運航が26日より復便する予定となっている。

経済の回復を目指す中国では、外国人の入国制限を徐々に緩和。4月以降に5000人以上もの外資系企業の駐在員が、チャーター便で中国に入国したことも明らかになった。

 

航路で入国するすべての乗客にPCR検査を義務化

中国政府は7月20日、航空便で中国に入国する中国人を含むすべての乗客に対し、PCR検査を完了し、新型コロナウイルスが陰性であることを証明することを義務づけると発表した。検査は、搭乗前5日以内に、中国の在外公館が指定、または認可する機関で行わねばならない。

 

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2021年7月23日、国境はどこまで再開されているか

本来ならば、東京オリンピックの開会式前日であった7月23日、世界の新型コロナウイルスのこれまでの感染者数は1500万人を超え、188の国と地域での発症が確認されている。新規感染者数は6月25日からは15万人を超す日が続き、7月以降は20万人を超す日も多くなってきている。

新型コロナウイルス感染症対策本部会合において、安倍首相は2021年開幕予定の東京オリンピック・パラリンピックのために来日する選手や関係者の入国を認める条件に関しても検討を開始するよう求めた。一方で、日本が入国拒否対象とするのは、146の国と地域になる中、一旦閉じた国は、いつ、どうように開いていくのか。課題は大きい。

(やまとごころ編集部:外島美紀子)

 

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