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2020年8月百貨店売上前年同月22%減の3231億円 7月より微減。インバウンド売上86%減も購買単価は31万円と伸長

2020.09.28

日本百貨店協会は9月24日、8月の全国百貨店売上高の概況を発表した。コロナウィルス感染のさらなる拡大から外出を控える人が増えたこと、記録的な猛暑といった天候の影響、前月に続き各店が催事を中止したり規模を縮小したりしたため、売上高は前年同月比22%減の3231億円となった。これは前月の20.3%減から若干水準が下がった売上高で、11カ月連続でマイナスの記録となった。

しかし、まだシェアは低いがEC売上が大きく伸びており、ネット上での取扱商品幅も広がっている。オンラインで開催された各地方からの人気物産展も好評だった。購買動向では付加価値の高いラグジュアリーブランドや高級時計、宝飾品が前月と同じく、健闘している。

商品別に見ると、通常はこの時期に伸びる菓子を中心とした手土産需要が、帰省自粛の影響を受けて大きく減少した。衣料品ではリモートワーク拡大などから、ビジネス関連が苦戦したが、肌着やナイトウェアなどは堅調だった。他のイエナカ関連も、精肉・鮮魚・酒類・家具・調理用品などといったものに動きがあった。

地区別では、地方が1.5ポイント改善したものの、大都市は2.8ポイントダウンとなり、地方と大都市の差が14.9ポイントと前月より差が4.3ポイント拡大した。

インバウンドの免税総売上高は、外国からの渡航者制限継続により前年同月比で86.1%減、約35.5億円のマイナスとなった。購買客数は約1万1000人で前年同月比97%減ったが、一人あたりの購買単価は高額品の大口購買などが見られたため、前年同月比362.2%増の約31万1000円と伸長した。

8月に外国人観光客に人気のあった商品は以下の通り。

1位:化粧品
2位:ハイエンドブランド
3位:婦人服飾雑貨
4位:食料品
5位:婦人服・用品

また、免税手続きカウンターの来店国別順位は以下の通りとなった。

1位:中国本土
2位:台湾
3位:マレーシア
4位:韓国
5位:香港
6位:シンガポール
7位:タイ

(やまとごころ編集部)