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【世界の動きまとめ】第4波の香港、海外からの入境規制を強化、駅には無料PCR検査自販機。台湾「秋冬版」コロナ対策、来年2月29日まで

2020.12.11

台湾、新型コロナの「秋冬版」対策で入境時の規制強化

台湾政府は空気が乾燥する秋冬に感染リスクが高まることをふまえ、12月1日より新型コロナウイルスの入境規制を強化している。入境においては国籍や滞在目的を問わず、搭乗前3日営業日以内の新型コロナウイルスのPCR検査報告書の提出が義務付けられる。検査報告書がない場合は入境時に自費で検査を行う必要があるほか、検査報告書が偽造、虚偽のものだった場合は、1万台湾元(約3万6500円)以上、15万元(約55万円)以下の罰金が科せられる。ただし、「親族の死去などの緊急時」「出発地で自費検査を受けられない場合」「指揮センターが許可した場合」「出境から3日以内の再入境者」「7歳未満の子供」「搭乗予定便の欠航で報告書の期限が切れた場合」は特例として認められる。このように、水際対策を徹底する台湾では、海外から入境した外国人がホテル隔離中に8秒間部屋から出たとして、10万元(約36万円)の罰金の支払いを命じたというケースも見られる。


マスクの着用も義務化、違反者には罰金

12月1日からはマスク着用も義務化。医療・ケア関連施設や公共交通機関、生活・買い物関連施設、教育・学習関連施設など、8つに分類された場所での着用が義務付けられ、違反者には3000台湾元(約1万900円)以上、1万5000元(約5万4700円)以下の罰金が科せられる。

中央感染症指揮センターの陳時中指揮官は、クリスマスや春節(旧正月)期間中の帰国ラッシュを念頭に置き、万全の態勢で対策を講じる姿勢を示した。「秋冬版」コロナ対策の期間は、来年の2月29日までとしている。

 

「中低リスク国・地域」から、香港を除外

中央感染症指揮センターは2日、香港での新規感染者が急増していることを受け、香港を感染リスクの「中低リスク国・地域」から除外した。また、同センターは9日、感染が抑制されているオーストラリアを「中低リスク国・地域」から「低リスク国・地域」に変更し、オーストラリアから台湾へ入境する短期滞在ビジネス客に対し、14日間の隔離期間を5日間に短縮する方針を示した。

 

台湾フェスタをオンラインで開催

日本では、毎年夏に代々木公園広場で開催されている「台湾フェスタin代々木公園」を、今年は12月に「台湾フェスタ2020オンライン」として行う。テーマは「#おうち台湾2020」で、台湾に行けない今の時期に台湾について予習し、新たな魅力を知り、文化を学び、台湾グルメを自宅で体験できるイベントとなる。

 

香港、新型コロナ第4波で再び規制強化

香港では新型コロナウイルス第4波の深刻化を受け、海外からの入境規制を強化。香港への入境は香港居住民のみ可能とし、入境後14日間の強制隔離を年末まで実施する。また、香港の教育局は全ての幼稚園、小学校、中学・高校(特殊学校を含む)での対面授業を12月2日(水)からのクリスマス連休まで停止すると発表した。マスク着用の義務や公共場所での集会制限の違反者に対しては、11日より罰金を現状の2000香港ドル(約2万7000円)から5000香港ドル(約6万7000円)に引き上げることを決定。現在、公共場所での集まりは2人までに制限されている。公務員および民間企業に対しては、在宅勤務をするよう呼びかけている。

 

鉄道MTRの駅に、無料PCR検査の自販機を設置

香港鉄路(MTR)では12月7日より、MTRの10駅に新型コロナウイルス検査サンプル採取できる、唾液採取ボトルの自動配布機を設置。同社のICカード「オクトパスカード」をかざせば、1人1本を無料で受け取ることができる。MTRには政府の請負業者から約1万本の採取ボトルが提供されており、毎日10駅に配付される。

 

香港=シンガポール「トラベルバブル」年内実施見送り

香港、シンガポール両政府は、香港での新型コロナ感染再拡大を受け、11月22日からスタートする予定だった「トラベルバブル」の年内実施を見送る方針を発表した。香港ディズニーランドも政府の要請により、12月2日から一時的に閉鎖されている。

 

キャセイパシフィック航空と保険会社アクサ、すべての乗客に「コロナ保険」

香港のキャセイパシフィック航空と保険会社のアクサは12月7日より、キャセイパシフィックのフライトを利用するすべての乗客に対し、新型コロナウイルスの治療に要した医療費用の保障を無料で提供している。「コロナ保険」に入ると、旅客が海外旅行で新型コロナに感染した場合、海外での医療費と入院費が最大20万ドル(約2000万円)まで保障される。

 

マカオ、コロナ禍で国際マラソンを開催

39回目となる「ギャラクシーエンターテイメント杯マカオ国際マラソン2020」が12月6日に開催され、約1万2000人のランナーが参加した。今大会では、7日以内に新型コロナのPCR検査を受け、陰性証明書を取得すること、スタート直前に検温と健康申告をすることが参加の条件。例年は海外からの参加者も多いが、今年はマカオ市民と、往来制限が緩和された中国本土からのランナーが中心となった。

 

タイ、外国人観光客の回復は2024年と予想

タイのアーコム財務相は2日、来年の外国人観光客数は800万人となり、新型コロナウイルスのパンデミック以前の水準に回復するのは2024年になるとの見通しを発表した。

新型コロナ感染拡大前の外国人観光客数は年間約4000万人だったが、今年の見込みは670万人。この670万人のうち、669万人は渡航制限が敷かれる前の第一四半期の渡航者となっている。同国では観光業がGDPの11%を占めているだけに、経済回復に向けた対策が急務となっている。

 

来年5月より、1300万人にワクチン接種の計画

タイ保健省疾病監理局は3日、2600万回分の新型コロナウイルスのワクチンを1300万人に接種する計画を明らかにした。英国のアストラゼネカ社とオックスフォード大学が開発を進めているワクチンですでに契約を締結しており、接種開始は来年5月の予定となっている。

 

タイ航空は、2021年1月から日本路線を一部再開

タイ国際航空は、2021年1月から日本路線を一部再開する。1月6日以降は「成田=バンコク」線を週3便、1月10日以降は「関西=バンコク」線が週1便運航する予定。日本路線以外では、バンコクとロンドン、フランクフルト、コペンハーゲン、シドニー、マニラ、台北、香港、ソウルを結ぶ便の運航を再開する予定となっている。タイ国際航空は今年、新型コロナの影響で経営破綻しており、現在は債務整理による経営再建を目指している。

 

ベトナムでは3カ月ぶりの市中感染

ベトナム・ホーチミン市では国内で3カ月ぶりとなる市中感染が報告され、新型コロナウイルスの第3波に見舞われている。これを受け、グエン・スアン・フック首相は2日、国際線の定期便乗り入れを一時停止することを発表。ただし、マイ・ティエン・ズン政府官房長官は、「ベトナム発の便と、高齢者や低所得者など、海外に立ち往生しているベトナム人向けの特別便は引き続き運航する」と説明したほか、ベトナムに入国する外国人専門家向けの便も引き続き運航するという。市中感染の感染源となったのはベトナム航空の客室乗務員の男性で、規定を遵守せず、自宅隔離中に外出していた。この男性は刑事処分に問われる可能性があるほか、現在は職務停止処分となっている。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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各国・地域の入国規制まとめ