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三重県伊勢市、主要観光地の混雑状況をAIを用いてリアルタイムで可視化 密のリスクを避ける行動が可能に

2021.01.08

三重県伊勢市はこのほど、市内の主要観光地の混雑可視化により、安心・安全と快適性を両立する取り組みを開始した。伊勢市は日本屈指の人が集まる地域であり、2020年の正月三が日には約56万人が伊勢神宮を参拝した。他の観光地と同様に密のリスクへの対応が求められていることから、市内主要観光地のリアルタイムの混雑情報や予測などを行い、内閣府が提言する「新しい生活様式」に対応した街づくりを全国に先駆けてサポートしていく。

現在、新型コロナ感染拡大防止の観点から、人が集まることによる「密のリスク」を回避しながら生活をすることが求められる一方で、感染症対策の長期化により、経済活動と両立することへの重要性が増している。こういった背景を踏まえ、内閣府は「コロナに強い社会環境整備」「新たな暮らしのスタイルの確立」「消費・投資の促進」の3つの観点から、リスクと経済性のバランスをとった新しい生活様式の実現を提案している。2020年度第1次補正予算では1兆円、第2次補正予算では2兆円の地方創生臨時交付金が新しい生活様式の実現に向けて確保されており、新型コロナとの共存も視野に入れたまちづくりを推進してきた。

今回の取り組みは、株式会社バカンによるもので、伊勢市内の主要観光地9箇所に屋外定点カメラと専用IoTデバイスを設置する。リアルタイムの混雑情報を取得し、AI等を用いた映像解析技術を活用することで、混雑情報の即時配信を行う。また、AIによる混雑予測の配信も併せて行っていく予定だ。混雑情報はインターネット上で誰でも閲覧が可能となるため、観光客が事前に状況や予測を確認し、混雑を避けた行動を取れるようになる。対象エリアは内宮、外宮、二見、河崎、朝熊で、12月末から内宮エリアの配信・解析を開始し、その後順次他のエリアについてもリリースしていく予定。