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新しい生活様式での観光イベントの在り方を提案、愛媛 道後温泉で音楽イベント。温泉xアートで地域資源を活かした新しい魅力発掘

2021.01.07

愛媛県松山市の道後温泉では、1月9日、10日の2日間、道後温泉別館飛鳥乃湯泉にてクラシック野外コンサートを実施する。中庭からの鑑賞だけでなく、YouTube生配信を行い、コロナ禍で外出を自粛している人も楽しむことができるイベントだ。

今回の取り組みは、道後温泉本館だけに頼らない観光地づくりの一環として、第3の外湯として誕生した「道後温泉別館飛鳥乃湯泉」を本館に続く観光資源の主役として磨き上げるため、飛鳥乃湯泉を舞台に音楽イベントを「道後音舞台」と名付けて実施するもの。

松山市の観光振興の核は、ミュシュラン・グリーンガイド・ジャポンで最高位の三つ星を獲得している道後温泉本館を中心とした道後温泉地区で、道後温泉旅館協同組合に加盟する32軒の旅館ホテルには、国内外から年間約80万人宿泊している。四国観光スポットへの送客ハブとして道後温泉地区が賑わい、観光消費額が増えることで地域経済へのプラスの波及効果を生んできた。

新型コロナの影響で道後温泉地区も大幅な売上減少により厳しい経営環境に置かれているが、国の観光産業支援策であるGo Toキャンペーンの開始以降、新しい生活様式での観光の再開に向けた動きが出始めている。道後温泉地区においても万全の感染予防対策を講じた上で、7月からほぼすべての事業者が営業を再開し、観光客の受入を始めた。この取り組みは、従来の生活様式からの変化が急速に進む中、安心して観光を楽しむことができるよう、新たな安心・安全な旅のスタイルを普及・定着させるための観光庁による「あたらしいツーリズム」の一環としての実施となる。

道後温泉地区では、道後温泉本館が改築120周年の大還暦を迎えた2014年から「温泉」という地域資源に「アート」という新しい魅力を組み合わせた大規模なアートフェスティバルを「道後オンセナート」として展開してきた。「アートにのぼせろ~温泉アートエンターテイメント~」をコンセプトに、日本最古といわれる道後温泉で、人と土地のエネルギーを浴び、体験することで、誰しもが頭も体も楽しく「のぼせよう」というメッセージが込められている。

今回は、同じく厳しい状況が続いているオーケストラなど音楽界と連携し、新しい生活様式の中で安心して楽しめる観光イベントのあり方を提案していく。これまでの「温泉×アート」に加え、音楽をエッセンスとして取り入れ、視覚だけでなく聴覚も刺激し、本事業をきっかけに旅行できる喜びや芸術文化に触れる喜びを訪れる人が感じることができることを目指している。