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【コロナ:世界の動き】台湾 パラオとトラベルバブル構築へ、日本・韓国・ベトナム・シンガポールとも協議。中国版ワクチンパスポート「国際旅行健康証明」スタート

2021.03.16

台湾、パラオとのトラベルバブル協議を再開へ

台湾の中央流行疫情指揮センターは7日、友好国であるパラオと「トラベルバブル」の実施に向けた協議を再開していることを発表した。報道によると、パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領が15日に訪台し、4月の実施に向けて協議を進めるという。台湾とパラオは2020年10月にもトラベルバブルの実施に向け協議を行っていたが、その後、台湾で新型コロナウイルス感染者が増加したことから見送りとなっていた。

 

日本、韓国などとも隔離期間短縮のトラベルバブル

また10日の会見では、パラオの他に日本や韓国、ベトナム、シンガポールとのトラベルバブルも協議中であることも明らかにした。トラベルバブルが実現したとしても、台湾に入境後5日間は毎日の行動や接触者を記録し、14日間は自主健康管理(外出時のマスク着用、手洗い、公共の場への出入り自粛など)をする必要がある。

同センターは10日、香港が中低リスク指定の条件を4週連続で満たしたとし、香港を中低リスク国・地域に追加した。これにより、香港から台湾へ入境する短期ビジネス客は、14日間の外出制限が7日間に短縮される。

台湾では、仕事でミャンマーを訪れていた60代の台湾人男性が新型コロナウイルスに感染し、帰国後も治療を続けていたが5日に死亡した。台湾内の死者は累計で10人となった。

 

2021年の旅行を計画している台湾人は18%

Airbnbがこのほど発表した「2021アジア太平洋観光動向調査」によると、60%以上の台湾人が2021年に「旅行計画がない」、または「通常の旅行に戻ることを期待していない」と回答し、「旅行を計画している」と回答した台湾人はわずか18%だったという。2021年中に旅行できるとポジティブに考えている台湾人男性は22%で、女性は14%だった。同調査は台湾、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、タイ、フィリピン、インド、韓国、日本のアジア太平洋地域を対象に実施されたオンライン調査で、旅行を前向きに考えている人は台湾が最も少なかった。

 

台湾、2023年にキャッシュレス決済5割増を目指す

台湾の金融監督当局は4日、2020年を基準に2023年のキャッシュレス決済回数を50%増やし、決算総額を21%増やす目標を発表した。これが実現すれば2023年の決済回数は78億3200万回となり、人口で割ると1人あたり340.5回、つまりほぼ毎日誰もがキャッシュレス決済を利用する計算となる。

 

中国、2021年の消費に関する方針を発表

中国では3月5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)がスタートした。今年の「政府活動報告」では消費に関する複数の措置が打ち出され、内需の拡大を堅持し、国内市場のポテンシャルを引き出すことで、消費を安定・拡大する方針を示した。観光面では、免税店の建設に力を入れ、休日消費を拡大するために有給休暇制度を全面的に実施するといった具体策が打ち出された。習近平国家主席は7日、全人代第4回会議青海省代表団の審議に参加し、エコツーリズムの発展と生態環境保護との関係を正しく処理し、生態分野の問題を解決するとの見解を示している。

 

中国版ワクチンパスポート、PCR検査、ワクチン接種記録などを一元管理

王毅国務委員は7日の記者会見で、中国のSNSウィーチャット(WeChat)のミニプログラムとして、中国版のワクチンパスポート「国際旅行健康証明」を正式にローンチしたことを発表した。国際旅行健康証明ではPCR検査や抗体検査の結果、ワクチンの接種記録などが一元管理できる。また、電子版として提示できるほか、プリントアウトして紙で提示することもできるという。渡航者の安心安全な往来をサポートし、中国の人が世界各地を訪問できるための手段として期待が高まっている。

 

春節の旅客数は8.7億人で前年比4割減

中国では、今年の春節における旅客数が8億7100万人だったことが発表された。昨年同期比で40%、新型コロナウイルス 流行前の2019年比70.9%それぞれ減少した。交通運輸省は1月下旬に今年の春節の旅客数が11億5200万人になると予測していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止策として政府が帰省の自粛を呼びかけたことなどから、予測を下回る結果となった。

中国OTA大手の携程旅行網(トリップ・ドットコム・グループ)が3日に発表した2020年12期の本決算によると、売上高が前年比49%減の183億元(約3000億円)だったことがわかった。新型コロナウイルスの世界的パンデミックの影響で大幅な減収となり、部門別では、宿泊予約が47%減、発券が49%減、パッケージツアーは73%減、法人旅行は30%減だった。

 

旅行の最終決定権、71%は女性

テンセント傘下にある中国のOTA同程旅行はこのほど、「2021年中国女性の旅行消費報告」を発表した。これによると、家族旅行では71%の人が「家族旅行やレジャー消費に関する決定権は妻にある」と回答し、旅行消費をめぐる最終決定権は女性にあるという実態が浮かび上がった。報告によると、女性旅行者が飛行機を利用して旅行する時期は8月から10月が最も多く、旅行のピークシーズンが夏休みと国慶節の大型連休前後に集中していることがわかった。また、宿泊施設においては女性旅行者が男性旅行者よりもランクの高いホテルを選ぶ傾向にあり、文化旅行では動物園、博物館、山岳、花見、映画ドラマ撮影所、庭園などが上位にランクインしている。

 

香港、16年連続で日本食の最大の輸出仕向地に

2020年の農林水産省の輸出食品統計によると、日本から香港への食品輸出総額は約151億ドルで、16年連続で日本食の最大の輸出仕向地となったことがわかった。また、2020年の日本食品の香港への輸出は前年比1.2%増となった。一方で、新型コロナウイルス感染拡大による影響で運輸コストが大幅に上昇し、特に廉価な食品原材料に打撃を与えているという。

 

韓国、感染が抑制されている国・地域とのトラベルバブル検討へ

韓国の国土交通省は3日、「航空産業のコロナ危機克服および再飛躍対策」を発表し、隔離期間なしで相互往来が可能となる「トラベルバブル」を推進することを明らかにした。相手国には、新型コロナの感染状況が比較的落ち着いており、防疫対策も整っている国・地域を模索していくという。背景には、1年以上続くコロナ禍で、LCCが存続の危機に立たされていることがある。韓国観光公社の統計によると、新型コロナウイルスの流行以降、観光目的で訪韓した外国人観光客は月平均で1万人にも満たないことが明らかになった。コロナ流行前の2020年1月には訪韓外国人観光客が103万人だったが、以降急減し、その後も回復しないままとなっている。

一方、韓国では3月8日0時以降に空港経由で韓国に入国する外国国籍者に対し、搭乗72時間以内に発行されたPCR検査の陰性証明書を提示することを義務付けた。

 

タイ、隔離期間の短縮案を検討

タイのアヌティン副首相兼保健相は8日、現在タイへの入国・帰国時に義務付けられている14日間の隔離について、4月から短縮する案を検討していることを明らかにした。プレスリリースによると、外国人で新型コロナワクチン接種後14日から3カ月であることを示す証明書を提示し、タイ入国時の検査で陰性である場合や、タイ人で新型コロナ新型コロナワクチン接種後14日から3カ月であることを示す証明書を提示し、タイ入国時の検査で2度陰性だった場合に隔離期間を7日間にするなどといった案が挙がっている。

 

ベトナム、外国人観光客受け入れ再開を検討

グエン・スアン・フック首相は文化スポーツ観光省に対し、観光振興策として新型コロナワクチンを接種した外国人観光客の受け入れを再開すべきとの提案を検討するよう指示した。ワクチンパスポートの導入は観光振興策につながると期待される一方で、措置を実現するための仕組みが構築されていない。そのため、文化スポーツ観光省は、国別・対象者別の受け入れ再開を段階的に進める方向でベトナム観光協会と協議しているという。同国では、観光業の従事者の40〜60%が離職または休職を余儀なくされたほか、海外ツアーに特化した旅行会社の95%は事業停止に追い込まれている。