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2021年4月の世界の航空需要 国内線は回復傾向、中国ロシアはコロナ前より増加。国際線は苦戦続く

2021.06.25

IATA(国際航空運送協会)によると2021年4月の世界の航空需要は、国内線が3月よりも改善されているものの、国際線は各国政府の入国規制により、引き続き苦戦が続いていることがわかった。

なお、2020年はパンデミックの影響で世界の航空旅客利用客は激減したため、記事中の伸び率比較は特記がない限り、すべて2019年同月比であることに留意されたい。

2021年4月の国際線の有償旅客が搭乗して飛行した総距離を示すRPK(revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)は2019年4月と比べて87.3%減少したが、3月と比べると0.5ポイント改善した。

地域別では、ワクチン接種が進んでいる北米、さらに旅行制限が他と比べて緩めのアフリカでは、世界平均を下回る70%台の減少だが、アジア・太平洋地域では94.4%減と、9カ月連続で厳しい減少が続いている。

一方、国内線のRPKの世界平均は、パンデミック前と比較すると25.7%減で、3月よりも6ポイント近く改善している。3月と同様、ブラジルとインド以外では回復傾向にあり、特に中国とロシアの国内線はパンデミック前のレベルよりわずかだが増えているのが目立つ。日本も前月よりは減少幅が3.5ポイント改善されてはいるものの、2019年同月比で54.9%減と、パンデミック前の水準には程遠い。

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、「国内線の航空需要の力強い回復具合を見ると、飛行機に乗ることができれば、人々は(飛行機を)利用することがわかる。残念なことに国際事情ではまだその自由はほとんどないが、いったん規制がなくなれば同じような回復ぶりを見せることと思う」と話した。

なお、世界的な景気回復と感染者の減少があって、5月の予約は国内線でも国際線でも増加しており、将来的に旅行需要が戻ってくることが期待できる。