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2020年宿泊者数、都道府県別の確定値発表。コロナ禍で前年比44%減、過去最少の3.3億人泊

2021.07.15

2020年の宿泊統計調査の確定値がこのほど観光庁より発表された。

それによると延べ宿泊者数(全体)は3億3165万人泊で前年比44.3%減だった。そのうち日本人延べ宿泊者数は3億1131万人泊で前年比35.2%減、外国人延べ宿泊者数は2035万人泊で前年比82.4%減だった。パンデミック前の2019年に初めて1億人泊を超えた外国人客だが5分の1まで減少したことになる。また、延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は6.1%で2019年より13.3ポイント減少した。

2020年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大により、全世界で渡航制限が行われ、訪日客数は3月以降激減。それに伴い、インバウンド宿泊者数は前年比90%台の減少が続いた。国内旅行も、緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出、県境をまたぐ移動の自粛などで大きく減少。政府肝いりの政策であるGoToキャンペーンで昨夏以降は宿泊者の増加も見られたが、感染第2波、第3波の影響もあり、12月に入り再び減少に転じた。(2020年の月別前年比の推移はこちらをご覧ください)

客室稼働率は全体で34.3%に止まり、特に旅館(25%)、リゾートホテル(30.0%)の稼働率が低く、シティホテル(34.1%)、ビジネスホテル(42.8%)を含め、いずれも従業員数10人未満の宿泊者施設も対象にした2010年の調査対象拡充以降、最低の数字となった。


都道府県別の延べ宿泊者数では、1位が東京都の3776万3210人泊で、2位北海道、3位大阪府と続く。一方、宿泊者数伸び率では47都道府県すべてでマイナス成長となったが、中では山口県が前年比17.3%減と最も減少幅が少なかった。これは県独自で実施したプレミアム宿泊券の効果で9月から4カ月連続で前年同月を上回った影響が出ているとみられる。また、減少幅の最も大きかったのは大阪府の58.4%減だった。

国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数では、第1位が中国の417万人泊(前年比86%減)で、以下台湾、アメリカ、香港、韓国と続き、上位5ヵ国・地域で全体の約61.3% を占めた。