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株式会社インテージア 取締役 片岡 究氏氏

2011.11.26

旅行会社と日本の商業施設を結び、双方にとってより良いビジネスの機会を提供する株式会社インテージア。今回の企業インタビューでは、代表取締役の片岡究氏をお迎えし、インテージアの事業内容や海外からのお客様を受け入れるにあたって工夫が必要な点についてお話を伺いました。

目次:
インバウンドとの出会い
インテージアの事業内容
海外からのお客様に対する工夫
今後の展望

片岡さんがインバウンドに関わることになったきっかけをお聞かせ下さい。

約4年前、和食チェーン店を展開する会社の営業部長としてインバウンドを担当したのがきっかけです。

インバウンドがどのようなビジネスか全く知らなかったので、まず、外国のお客様がどこを見て日本に来るかを考え、台湾や中国の検索サイトから「日本」「旅行」などのキーワードを入力して検索をかけました。そこで出てきた旅行会社に一件一件電話をして話すうちに、インバウンドの内容が少しずつわかってきたので、会社に頼んで台湾に行かせてもらいました。

台湾では、街を歩いて目に入る旅行会社や広告を見て飛び込みで営業を行い、店の資料やカタログを見せ、その場でプレゼンをしました。言葉は出来ませんが、片言の英語とビジュアル重視のカタログと計算機があれば商談はなんとかなるものです。それにラッキーなことに日本語を話せる方が多くいらっしゃいました。

その結果、インバウンドに関わる色々な会社と付き合いができ、香港など他国の会社を紹介してもらうなど人脈が広がり、実際に多くのお客様に日本の店を訪れていただきました。

また、日本に来た添乗員と話をしていくうちに、インバウンドの足りない部分も見えてきました。
インバウンドに関わっていくうちにこの業界に可能性を感じ、2011年2月にインテージアを立ち上げました。
その直後に東日本大震災となりましたが、5月に(株)ポータル・ジャパン様と開催させていただいた震災復興フォーラムでは、現地旅行会社とのパイプをいかし、各国講師への招聘に貢献することができました。

インテージアの事業内容はどのようなものですか。

私たちは商業施設、デパート、ショッピングモール、地方自治体などをサポートしており、一緒にインバウンドに効果的な企画を立案し、それをさらに現地旅行会社を巻き込んで、プロモーションにつなげています。

最近はFIT(個人自由旅行)のお客様が増え、旅行会社としても、FITに対応するための新しいコンテンツを欲しがっています。そこで、私たちは日本の商業施設を開拓・紹介、もしくは商業施設から依頼を受けて、新しいマッチングや企画を作ります。日本の素敵な飲食店を紹介し、商業施設などをプロデュースし、日本滞在をもっと魅力的にするのです。
日本の商業施設に対しては、魅力的なクーポン作成や、露出を高める施策など、お客様を呼び込む仕掛け作りを提案しています。

インテージアの強みは、各国トップの旅行エージェントたちとアライアンスを組み、現地旅行代理店のカウンターやウェブ等でお客様に直接プロモーションすることが可能なこと。すでに日本に興味がある方に対してピンポイントで情報発信して、確実に来ていただくという流れを作っています。

海外からのお客様に対して工夫していることはありますか。

私はフィールドワークが好きなので、街を歩く外国人観光客や添乗員によく声をかけ、現場の感覚を知るようにしています。こうすることで今何が求められているかがわかり、実感を持った提案をすることができるのです。

飲食業界で勤務していた頃は、各国の人たちの性質を見極めながら、それに合わせてメニューを提供しました。「外国人」・「団体」とひとくくりにすると見えないところが、現場にいるとよく見えます。メニューも、外国の方が見てもすぐにわかるように、写真を載せるように提案します。

また、商業施設に対しては、団体旅行がターゲットの場合、「一番のリピーター」である添乗員様・ドライバー様が休憩出来るスペースなどを提供するようアドバイスしています。常に心掛けているのは、お客様が来たくなるような演出です。商業施設などで「中国の皆さん、いらっしゃいませ」などと書いてあるだけで嬉しいものです。
旧正月には特別な飾り付けをするなど、歓迎している雰囲気を出すのが大切だと思います。

今後の展望についてお聞かせ下さい。

7月から、「銀座インバウンド実行委員会」という会を発足させ、銀座から世界に発信するプロジェクトを進めています。商業施設や出版社、多種多様な業界を集めて日本を世界にアピールする。そのため、インバウンドについての勉強会を開いたり、イベントなどを開催しています。
また受け入れ側の意識を高めるために、地方でも商業施設や飲食店・デパートを集めた勉強会等の開催も計画しています。
今後は一人でも多くの方に、インバウンドは特別な業界ではなく、身近なビジネスチャンスであるということをより知っていただき、日本の素晴らしさを全世界にアピールするお手伝いをさせていただきたいと考えています。
これからもご縁を大切にして、皆様と一緒に日本を世界一の魅力大国にしていきたいですね。

株式会社インテージアへのお問い合わせ

intasia CONNECT THE WORLD

メール:qreation.k@gmail.com
電話:03-5365-4141
取材:Kanako Morishita