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★国交相、インバウンド施策実施に向け「出国税」を検討。今秋にも具体案

2017.09.14

石井啓一国土交通相は9月12日、2020年に訪日外国人数を4000万人に増やすための財源として、日本から出国する人に課せられる「出国税」を含めた新しい財源確保案を検討すると発表した。

出国税について石井氏は、12日の定例会見で「観光庁で受益と負担のあり方などの観点から、諸外国の事例を参考にしながら検討してきた。外部のさまざまな意見を取り込み、検討の具体化を進める」と述べた。増加する観光需要に対し、観光施策を実行するために必要な国の財源を確保し、訪日外国人数の目標達成を目指す

15日には、有識者8名で構成する「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」の初会合を開催。検討会では、必要な財源の規模や、訪日客だけでなく日本人も対象に入れるかどうか、また、米国の電子渡航認証制度(ESTA)や、韓国の「出国納付金」、オーストラリアの「出国旅客税」など、諸外国の制度を参考に、「出国税」だけでなく、税金以外の方法についても検討し、今秋にも具体案を取りまとめる考えだ。

2016年の日本からの出国者数は日本人が約1700万人で、仮に1人1000円の「出国税」を徴収すれば、訪日外国人の徴収額と合わせて約400億円分の財源になる。しかし、日本人を対象に含めると、海外旅行客の減少につながりかねないだけに、旅行業界からの反発が強まる可能性もあり、慎重に対応していく必要がある。

(やまとごころ編集部)

出典:

朝日新聞

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