インバウンド特集レポート

2014.07.22

タイの日本への旅行ブームは本物だ! タイ人の心に刺さる意外な魅力②

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タイ人旅行者の心に刺さるポイントとは

それでは、せっかく多く訪れているタイ人旅行者を喜ばせ、満足度をあげるポイントは何だろう。現地の取材やタイでの旅行博、日本で開催されるセミナーや勉強会、日本の商業施設などの取材を基に、タイ人の心に刺さる項目をまとめてみた。

■タイ人旅行者(特に個人旅行者)が日本でしたいことは?

①日本食を食べる
②四季を体感する(自然、景勝地観光):桜、花&雪、キラキラなど
③ショッピング
④日本でしかできない文化体験
この4つのテーマに分けて詳細に見ていこう

①グルメ:タイ人が好む日本食とは

タイ・プーケットの3Dミュージアムで寿司を出している職人の胸元には和食チェーン「Fuji」のロゴが記されている

【好まれる日本食】
寿司、フルーツ(いちご、なし、ぶどう、かき)、日本のお菓子、天ぷら、ラーメン、カニ、牛肉、鉄板焼き、会席料理、お菓子
【好まれない日本食】
冷たいお弁当、牛肉、いかの活き造り



タイ人に好きな食べ物をきくと、必ずといっていいほどあがってくるのが『寿司』。
タイには、「Fuji」「大戸屋」といった和食チェーンや、ショッピングモールのフードコートに和食コーナーがあり、トンカツや牛丼、カレーのチェーン店も進出し、日本の食が街中にあふれている。

そこで出される寿司や和食を本場で食べてみたいという欲求は強く、実際に日本で食べて満足している人がほとんど。
ただし、日本滞在中に会席料理が毎日続くと飽きがくるので好まれない。
食に関しては保守的と考えていいだろう。バンコクで食べたことがある日本食だから、ここまで評価が高い。

牛肉は「神戸牛」「伊万里牛」などブランド名をあげるほど好きな人もいれば、牛肉をまったく食べない人も多い(特に女性)ので、事前のチェックが必要だ。

タイでの食事には、デザートにフルーツがふんだんに出てくる。日本人よりもフルーツの消費量が格段に多い。日本では、上記にあげたフルーツ、特にいちごは甘さが格段に違うと評判だ。日本で購入したフルーツはホテルで食べたり、お土産として大量に持ち帰ることも。それゆえフルーツ狩も人気の体験ツアーとなっている。


タイ・バンコクで最新で最大級のショッピングモール「central embassy」にある「京」というデザートの店。竹炭セットはロールケーキにフルーツ、抹茶ソフトという豪華版。日本円で800円ほどなので安くはない。店はタイ人でいっぱいだった


日本のお菓子は総じて好まれる。『キットカット 抹茶味』や『東京ばな奈』人気は有名だが、「日本のお菓子はなんでも美味しくて大好き」とチョコレートやスポンジ系の菓子を買い込んでいる人を多くみる。

「好まれない物」にあげている「いかの活き造り」だが、これには裏話もある。6月に私が宿泊したバンコクのホテルの支配人は、佐賀・呼子で「いかの活き造り」を出され、あまりに衝撃的で食べられなかったそうだが、自分のスマホで動画を撮影して他のタイ人に何回も見せているとのこと。その度にタイ人たちは驚きの声をあげるが、一度は体験してみたいと思うらしい。

「他人に自慢できる旅の写真、体験」というのは、タイ人の心をとらえるキーワードだ。
次の②のスポットもそういわれている。

 

②日本の四季を象徴する花、雪、キラキラ:写真映えがするスポットを探せ

「自然の風景」を好むのは、中国、台湾などの東アジアやその他の国とも共通する傾向だが、タイ人が特に好むのは「花」「花畑」。花はもちろんタイ人の生活にあふれているが、日本でしか見られない花、その中で写真を撮影するというのが、テンションがあがることのようだ。

桜はもちろん、5月に咲く藤棚の紫の花に囲まれてポートレートを嬉々として撮影するタイ人を何人も見かけた。

日本にあってタイにない雪や、阿蘇の火山など自然風景も大都会居住のタイ人にとっては、美しい風景に映る。

都心部においては、冬季のキラキラ輝くイルミネーションなども恰好の思い出写真スポットにもなる(もちろんバンコクでもクリスマスシーズンのイルミネーションはあるが、装飾の細やかさだったり、コンセプトの多様性など日本が際立っている)

日本の寺社仏閣でいうと、例えば京都では清水寺よりも『伏見稲荷』のように、歴史的価値よりも色鮮やかなスポットの方が好まれている。これは写真に撮影した場合の効果も考えられる。

ただし、タイと日本で共通する点として、幸運を得るパワースポットめぐりを好む。タイの寺院やパワースポットにおいてタイ人はそこならではの方法で祈っている。日本で有名なパワースポットがあれば、そのストーリーを知り、祈願するなどの体験は喜ばれるだろう。このあたりは、東アジアの国々の方とは求めるものが違う。

 

③ショッピング:「日本の製品は品質がいい」伝説にひかれて

東南アジア諸国の中で、一番旅行消費額が多いのはタイである。
買物支出額は平均5万円。

購入率費目別ランキングは
①菓子類
②化粧品、医薬品など
③服、かばん、靴

①菓子類はグルメで先述した通り。
②の化粧品、医薬品は他アジア市場と同様で、資生堂やカネボウといった日本製の化粧品が人気を集めている。
③については、ブランド品も日本の方が安い場合が多い。『ISSEI MIYAKE』のバッグ、『ONITSUKA TIGER』などの靴が人気だが、一般的に靴やかばんは「デザインがきれいで品質がしっかりしている」と認識されている。

5月29日に福岡で開催されたシンポジウムで、タイ国旅行業協会副会長(フライトセンター)のソムチャイ・スリラタナブラバス氏は「タイ人の趣味は”ショッピング”といってもオーバーじゃない。特に女性は」と断言。
タイ人の30代以上のリッチな女性たちも到着したスポットで、ちょっとでも時間があれば、お土産やお菓子を買いに走る。「100円ショップに行けば何でも揃っているし、デザインが細やかでかわいい。フリクションペンなどのステーショナリーグッズも機能的で使いやすい」とあらゆるショッピングシーンが楽しい様子だ。

(Part 3へ続く)

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